← 後編 第2章 · 業務と既存システムの調査
LESSON p02-01 / 約15分

現行調査の仮説と、調べる順序

このレッスンの到達目標

業務の入口から保存・連携まで影響をたどる。

音声とインタラクティブ図解で学ぶ音声を再生すると、下のインタラクティブ図解と本文の段落ハイライトが連動して動きます。
BUSINESS STATE MACHINE · AUDIO & INTERACTIVE

販売管理の取引状態マシンと「締め後・例外」の境界シミュレーター

受注→出荷→売上→請求締め→入金の流れで、いつ・どのデータ(受注日/計上日/締め日)が確定し、どこから直接変更が禁止されるかを動かして確かめます。

🔒 月末締め境界(直接上書き禁止・訂正伝票領域)STATE 01受注確定受注日 10/12受注額 2,703円STATE 02出荷・部分出荷出荷日 10/15出荷分 1,802円STATE 03売上計上売上計上日 10/16売上額 2,703円STATE 04月末請求締め締め日 10/31請求額 2,703円STATE 05締め後訂正(赤黒/差額)訂正計上日 11/05訂正差額 −300円
状態・日付・数量の変化受注確定(受注日 10/12 / 受注 3個)

取引先の優良区分は受注時点のマスターを採用するか、請求時に再評価するかを合意して保持します。

直接変更の可否と監査履歴元伝票の直接変更:条件付き可(出荷前)

試作画面で金額を書き換えられても、業務システムでは「受注日・売上計上日・締め日」と「変更履歴・承認権限」を分けて設計します。

進め方と判断の根拠

最初に受注、出荷、売上、請求の流れと、値引きが決まる時点を整理します。画面名の一覧だけでなく、担当者、実行条件、数量・金額・状態の変化を記録します。取消、返品、部分出荷、締め後訂正も調査対象にします。

次に入口の画面やAPIから、呼び出す共通部品、SQL、更新先、帳票、バッチへたどります。AIには対象ファイルと根拠箇所の抽出を支援させ、存在しない関数や呼び出しを挙げていないかコードと照合します。

実務への適用と確認

影響調査には確認した版と対象範囲を添えます。コード検索で見つからないことだけを、影響がない根拠にはしません。動的な設定、ジョブ定義、外部連携、手作業の運用など、別の情報源も確認してください。

調査の結果を業務ルール、処理、データ、外部依存の関係として整理します。必要な範囲に絞りつつ、調査できなかった資料や環境は残課題にします。調査を終える条件と、追加調査へ戻る条件も先に決めます。

押さえておきたいこと

  • 業務とデータから追う
  • 根拠箇所と版を示す
  • 検索できなかった範囲も記録する
読了記録と習熟度の確認は別です。