← 後編 第9章 · 品質を検証し、証跡を残す
LESSON p09-02 / 約15分

非機能と、未検証を含む品質報告

このレッスンの到達目標

成功した確認と残るリスクを分けて判断を求める。

音声とインタラクティブ図解で学ぶ音声を再生すると、下のインタラクティブ図解と本文の段落ハイライトが連動して動きます。
INDEPENDENT TEST ORACLE LAB · AUDIO & INTERACTIVE

独立テストオラクル計算器(値引き順序・端数処理・境界値比較)

AIの実装式をなぞるテストではなく、合意した業務ルール(単価×数量・値引き率・切り捨て/切り上げ/四捨五入)から独立して期待値を導きます。

STEP 1: 明細小計1,001円 × 3個3,003円→STEP 2: 端数処理前の割引3,003円 × 10%300.3円→STEP 3: 確定値引き額小数切り捨て−300円=TEST ORACLE独立期待値(差引)2,703円
ルール別の期待値比較(税対象外)切り捨て:2703円 / 切り上げ:2702円 / 四捨五入:2703円

端数が出る入力(例:1,001円×3個=3,003円、10%=300.3円)を用意することで、切り捨て(2,703円)と切り上げ(2,702円)の実装ミスを確実に検出できます。

オラクル設計の原則AIが書いた実装コードをコピーしてテスト期待値を作らない

正常値だけでなく、値引き0%、対象外取引先、上限超え、保存失敗時のロールバック状態も期待結果に含めます。

進め方と判断の根拠

性能、可用性、復旧、監査の確認は、想定したデータと環境で行います。負荷をかける前に実施場所と影響を確認し、測定条件、実行結果、判定を記録します。少量の検証で確認していない範囲を区別してください。

権限は表示の制御だけでなく、別経路からの操作も確認します。履歴に必要な利用者、処理、時刻、変更理由が残るか、秘密情報を出力しすぎないかも調べます。必要な観点はプロジェクトの要件から決めます。

実務への適用と確認

未実施の確認には理由、影響、代替策、確認予定と責任者を付けます。成功率の分母から除いて隠すのではなく、実施済み、失敗、未実施を別に示します。既知の不具合と残るリスクを承認者へ提示します。

品質報告は合否の宣言だけでなく、どの条件まで確かめたかを説明します。必要な節目で進行を止める判断も含めます。AIのまとめを利用する場合は、ログと実績にない成功を記載していないか照合します。

押さえておきたいこと

  • 測定条件を結果と一緒に残す
  • 失敗と未実施を分ける
  • 残るリスクを判断者へ示す
読了記録と習熟度の確認は別です。